人形姉妹

The Annex
(ラ・ママアネックスシアター)

10月23日(木)ー11月2日(日)
木曜日から土曜日まで、午後7時半
日曜日は2時半と7時半の二回公演

Tickets $25
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Setsu Asakura & Taeko Tomioka from Japan



舞台美術家・朝倉摂演出、「人形姉妹」 The Doll Sisters、
- 人形と俳優との巧みなコラボレーション - 来る10月23日木曜日より
ダウンタウンのラ・ママ実験劇場での再演決定。


「人形姉妹」は、1978年に朝倉摂が初めて演出を手がけた作品で、歌舞伎の
「戻り橋」をベースに、糸あやつり人形を絡めて、女の心の二面性を二人の姉妹を通し
て描いた富岡多恵子の書き下ろし作品になるが、同年、東京渋谷のジャンジャンで初演
されてから、アメリカ各地をまわり、最後にラ・ママ実験劇場で上演された。
江戸の糸あやつり人形と俳優との巧みなコラボレーションで展開されるこの作品
は、各地で好評を博し、ラ・ママ実験劇場の創設者で芸術監督のエレン・スチュワート
を魅了した。女史は、ラ・ママ創立以来2900本以上プロデュースしてきた中で、心
に残る最も美しい作品のひとつとして以前からこの作品の再演を熱望していたが、昨年
の高松宮殿下世界文化賞を受賞のをきっかけに、今回ついにその夢が30年ぶりに実現
したものだ。

ラ・ママは、1961年に創設された実験劇場で、世界中の作品を上演してきてい
るが、安部公房をはじめとして寺山修司、東由多加など、長年にわたり日本やアジアの
アヴァン・ギャルド作品にも注目し多数上演を続けてきている。エレン・スチュワート
は、過去に多くの賞を受賞しているが、2006年にはトニー賞優秀演劇名誉賞も受賞
している。昨年は世界文化賞受賞式出席のため、ピアニスト、ダニエル・バレンボイム
ら他の受賞者と共に来日した。

今回は、初演と同じく人形師に江戸糸あやつり人形使いとして第一人者の田中純、
姉の役には今回の公演が舞台女優としてのラスト舞台となる吉行和子が参加、新たに、
妹の役に人形作りや陶芸でも知られる結城美枝子を初めて起用しての再演となる。

「人形姉妹」は姉と妹、そしてかなしい女の物語である。姉は、昔自分を捨てて
行った男のマボロシをおい、捨てて行った男への復讐のためにも男を捕らえなければな
らない。女の生理的な怨念の面を姉は持ち続けている。妹は、くる日もくる日も橋のと
ころにやってくる男をまちぶせ、その男を誘いこもうと企てている。男の希望で踊りま
で躍るが、その男は恋人のところへ通って行った帰り道なのを知る。

この劇では、「戻り橋」という舞踊劇でも歌舞伎でも有名なひとくだりが、しま
いに幻想の男としてからむ。また、この作品ではその武士と小百合姫は糸あやつり人形
で行う。黙阿弥作の「戻り橋」では、小百合姫・実は鬼女の腕を切り落とすと、後日の
復讐を期して空に舞い上がるが、このような古典劇を下敷きにしながら劇の進行につれ
て、姉と妹が、別々の人格をもつふたりの人間でなく、実はひとりの女の分身たちであ
り、ひとりの女の欲望と怨念をあらわしている可憐な、かなしい分業であることがわか
ってくる。血を流して死んで行くふたりは、かなしいひとりの女の姿であった。

「戻り橋」を基調にしたこの作品は、女性の情念と怨念、情熱と分別、夢と現実
など多様かつ裏腹な心理の局面を、二人の女優と二体の人形のからみに、さらに黒子と
人形師の通常の動きを超えた演技で、その深層を浮き彫りにして行く。巧妙な仕掛けが
さらに効果を増す。

人形師の田中純は初演当時、第十一代目結城孫三郎として結城人形座を主宰して
いたが、1990年に孫三郎を返上して本名の田中純を名乗り、国内外で独自の活動を
続けている。 田中は糸あやつりの技術の継承者として東京都の無形文化財に指定されている。
吉行和子は、日本では、舞台・テレビ・映画で幅広く活躍しているが、この6月、
舞台女優としての区切りをつけ、日本でのラスト舞台を終えたところだ。ニューヨーク
で女史の本当のラスト舞台が見られることになる。結城美栄子は、ニューヨークのステ
ラ・アドラー演劇学校でも学び、日本では舞台・テレビ・映画で活躍する一方、紙粘土
による人形造りや陶芸でも活躍していて、この10月3日からNYのIPPODOギャラリーにて個展を開催する。

作家の富岡多恵子は70年代に小説家に転じるまで、「返礼」(1957年)、
「物語の明くる日」(1969年室生犀星詩人賞)、などで知られる詩人であった。
「冥土の家族」で女流文学賞、「立ち切れ」で川端康成文学賞をとるほか、読売文学賞、
日本芸術院賞など数多くの賞をとっている。また、篠田正治監督映画「心中天網島」の
シナリオも書いている。

演出の朝倉摂は、現在日本を代表する舞台美術家のひとりであるが、50年代は
日本画家としても上村松園賞を受賞している。60年代にその想像力を発揮するさらに
大きなキャンバスを求めて舞台に惹かれ、舞台美術家としての道を歩んだ。70年代に
ロックフェラー奨学生としてニューヨークに学ぶ。その後舞台美術家として現代劇、歌
舞伎、ミュージカル、オペラなどで幅広く活動を続け、日本アカデミー賞、芸術祭賞、
読売演劇大賞をはじめ数々の賞をとる。篠田正治監督映画「写楽」などの衣装も手がけ
た。一方日本美術家協会理事、日本劇場技術家協会会長、劇場演出空間技術協会の理事
を歴任している。2006年には文化功労賞を授かる。

「人形姉妹」は、10月23日から11月2日まで、木曜日から日曜日夜7時半、
日曜日昼2時半より、日本語で上演される。 作:富岡多恵子、演出・美術:朝倉摂、
照明:室伏生大、効果:原島正治、制作:松野潤/林美佐、姉:吉行和子、妹:結城美
枝子、男人形:田中純、女人形:尾上菊方、黒子:尾上菊四郎、 主催・企画・製作:
ラ・ママ実験劇場/アトリエ・アサクラ。 助成:文化庁/アジアン・カルチュラル・
カウンセル、協賛:財団法人日本美術協会。

チケットは、La MaMa 74A E. 4 ST. NYC、ボックスオフィス、212-475-
7710または、ウッブサイトwww.lamama.orgにて販売されます。尚、日本語による
詳しいお問い合わせは、212-866-5851 ワンステージ:井澤まで。

<劇場> La MaMa Annex Theater, 74A E. 4th ST., NYC
TEL: (212) 475-7710

主催・企画・製作: ラ・ママ実験劇場&アトリエ・アサクラ
助成: 文化庁
Asian Cultural Council
協賛: 財団法人日本美術協会

料金: 一般$25 / シニア・学生$20
チケット: La MaMa
74A E 4 ST. NYC
Box Office (212) 475-7710
Online ticketing available at www.lamama.org

スタッフ: 作 富岡 多恵子
演出・美術 朝倉 摂
照明 室伏 生大
効果 原島 正治
舞台監督 松野 潤
演出助手・振付 尾上 菊紫郎
照明助手 小沢 淳
音響助手 中西 梢
制作 松野 潤/林 美佐
出 演: 姉 吉行 和子
妹 結城 美栄子
男人形 田中 純
女人形 尾上 菊方
黒子 尾上 菊紫郎

NYスタッフ Production Coordinator 井澤 眞知子/OneStage Inc.

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